レーザー

2017年11月16日(木) 09:30-12:25 会場:会場:6F 第1会議室
【LA-1 コース】 自動車産業の未来を創るレーザー技術

カーフォトニクスの未来 ~エンジン点火、LIDARからレーザー加工まで

自然科学研究機構 分子科学研究所 平等 拓範
 最近になり光科学技術(フォトニクス)の自動車分野への応用が進んでいる。レーザーによる切断、溶接、微細加工は今や車体の軽量化と強度向上に不可欠であるが、それ以外でもまた車載カメラに加え衝突防止のライダーなども一般的な安全装置として導入が検討されつつある。その他、運転のモニタに加え赤外線レーザーによる燃焼や排気ガスの解析などの提案もある。このようにフォトニクスは自動車の様々な領域で欠かせない要素となっているが、その根幹である動力・エネルギーに直接かかる話題はこれまで出てこなかった。当然ながらこの様な話題には金属加工やブレイクダウンを引き起こせるようなジャイアントパルス固体レーザーが求められるが、これらは一般に大型かつ不安定で、さらに大容量電源や水冷装置などが必要であり車載は想像することすら困難であった。また装置も高価であり誰もがまともな議論ができるようになるとは思われなかった。それがマイクロ固体フォトニクスの進歩により事情が急変した。
 本講演では、レーザーによるエンジン点火、目に安全な中赤外光発生すなわちアイセーフレーザー及びフラッシュライダー、さらには光音響を使った新たな診断など、ジャイアントパルスにより可能となる新たな展開を中心に議論したい。

レーザーによるヘッドライト実現とヘッドアップディスプレイへの展開 ~自動運転、電気自動車を見すえて

大阪大学 山本 和久
 レーザーTV、超小型の携帯プロジェクタ、高輝度データプロジェクタ、ヘッドアップディスプレイが商品化、その波及効果はレーザー照明分野へと拡がりレーザーヘッドライトが実用化された。超小型および高輝度・高効率化により超低消費電力化もねらえるという特徴もあり商品化が急加速している。
 ここでは、レーザー照明・ディスプレイについて、その構成、特徴、課題、応用を解説する。特に自動車応用として、自動運転や電気自動車を見据えたレーザーヘッドライトやレーザーヘッドアップディスプレイなどに焦点を当てる。
難易度:入門程度(大学一般教養程度)

車載用LiDARの市場性と海外等に見る開発トピックス

有限会社パラダイムレーザーリサーチ 鷲尾 邦彦
 最近、各種の自動走行移動サービスの実現に向け、米国をはじめとして、自動運転に関する技術開発が国内外で目覚ましく活発している。自動運転に必要とされるセンサーには、カメラ、レーダー、LiDARなど種々があるが、自動運転レベルの高いシステムが普及する2030年頃には、LiDARの市場規模が急増するものと考えられている。
 本講演では、次のような項目について、現状及び最近の動向を紹介する。

 1.自動運転技術への国内外の取り組み
 2.自動運転レベルの分類と自動運転に必要とされるセンサーの市場予測
 3.車載用LiDARの主な種類
 4.車載用走査型LiDAR
 5.車載用フラッシュLiDAR
 6.車載用LiDARの本格的な普及のための各種の課題
難易度:初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)
受講料(1コース/税込)
  一般 出展社・協賛団体会員 定期購読者 新規定期購読同時申込 学生
価格A ¥13,000 ¥10,000 ¥9,000 ¥9,000 ¥3,000
2017年11月16日(木) 13:20-16:15 会場:会場:6F 第1会議室
【LA-2 コース】 注目の最新レーザーとその応用

面発光レーザーが拓く新たな光エレクトロニクス―その多彩な可能性

東京工業大学 宮本 智之
 光は様々に社会で活用されており、次のイノベーションを創りだすポテンシャルをもつ。新たな分野の創出には新たなデバイスが重要となる。この講演では、面発光レーザー(VCSEL)の基本原理と特徴、また様々な応用、特に、これから大きく発展する光無線給電について解説する。
 VCSELは半導体レーザーのひとつだが、半導体基板の表面から光出射するユニークな特徴のため、新たな光エレクトロニクス/フォトニクス分野を拓いている。高速変調動作と通常レーザーの1/100の極低電力のため、スーパーコンピュータの高速演算を支える光配線に必須の光源デバイスとなっている。また、極低電力はレーザーマウスや超小型原子時計、さらにレーダー応用から広い波長可変幅も利用した生体計測など、多様な光センシングを可能とする。また、表面からの光出射は、2次元に並べるレーザーアレーを可能にし、多数のレーザービームによる高速・高精細レーザープリンタなどが実現されている。2次元化や大面積化による高出力レーザーも可能となり、光点火エンジンやレーザープロジェクタ応用、加熱・加工応用が進められている。さらに、高効率・高出力の光源は、光による新しい無線給電を可能とする。光無線給電は、利用が拡がり始めた電磁波の無線給電に比べて、小型で長距離給電可能という特徴がある。このため無線化を大きく進展させ、単に配線がないという以上の新しい社会を創りだせると期待している。
難易度:入門程度(大学一般教養程度)/初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)

ファイバーレーザーとその応用

千葉工業大学 藤本 靖
 レーザーが発明されて以来、様々な波長領域でのレーザー光源が出現するに至り、応用分野の多様性は確実に広がっている。これは、レーザーの持つコヒーレンス性が自在に照射形状を与え得る事、指向・集光特性、単色性が良く精密な加工、改質、評価等が可能である事が大きい。
 レーザーに関するここ数年のトレンドは、近赤外レーザー光源である高出力半導体レーザー励起Ybファイバレーザーである。今や1kWを越えるシングルモードファイバレーザーが当たり前になり、レーザー加工分野用光源の主流となりつつある。レーザー媒質をファイバ形状にする利点は、バルク型の固体レーザーに比べ、装置構成が小型・堅牢であること、ビーム品質が良いことなどが挙げられる。これは、バルクレーザー形状の三次元的自由度に対し、ファイバはその断面形状(二次元)の自由度に制限されていることによる。自由度を一つ捨てる代わりに安定性を手に入れたとも言える。これを受け、近年、シリカファイバが得意としていた波長帯域(Nd, Yb: 0.9~1.2µm, Er: 1.5~1.6µm, Tm, Ho: 1.9~2.1µm)以外の波長帯域における新規光ファイバ材料及び、その光ファイバを用いたファイバレーザーの開発が盛んになっており、その出力の向上も著しい。
 本報告では、これら新波長域ファイバ・ファイバコア材料の開発における国内外の研究動向をまとめ、我々の研究現状(可視光ファイバレーザー)及び、今後の展開を概観する。
難易度:初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)

高出力可視光半導体レーザーの産業へのインパクト、現状と将来

三菱電機株式会社 八木 哲哉
 高出力可視光半導体レーザーの開発が加速している。高出力可視光半導体レーザーの用途は90-00年代前半には記録型光ディスク装置やレーザーショー、分析機器などにほぼ特化されていたが、00年代後半以降レーザーテレビやレーザープロジェクター、ヘッドアップディスプレイなどの超小型~超大型のディスプレイ分野用光源に用途が拡大してきた。また、10年代以降は自動車用ヘッドライトなど照明への適用も始まり、新たなアプリケーションへの応用に広がりを見せている。今まで半導体レーザーはレーザー光を装置間の情報の伝達に主に用いられてきた(1.3~1.6μm帯のレーザー光を用いる光通信は送受信機間の情報の伝達、0.4/0.66/0.78μm帯のレーザー光を用いる光ディスク装置はPCなど外部装置と光ディスク間の情報の伝達)。上述のディスプレイや照明は、装置(もしくは外部環境)とヒトとの間の情報の伝達(あるいは情報伝達の仲立ち)を行うものであり、情報の受け手がヒトであるという点が従来の半導体レーザーのアプリケーションと根本的に異なっている。また、可視光半導体レーザーのレーザー加工機への応用も検討され始めた。
 本講演においては高出力可視光半導体レーザーの産業に与えるインパクトを概括したのちに、これらのアプリケーションの光源たる高出力可視光半導体レーザーに要求される諸性能について、現状を踏まえつつ将来を展望する。
受講料(1コース/税込)
  一般 出展社・協賛団体会員 定期購読者 新規定期購読同時申込 学生
価格A ¥13,000 ¥10,000 ¥9,000 ¥9,000 ¥3,000
元のページに戻り選択を続ける



セミナー申込手順

※有料セミナー キャンセル規程:
お客様のご都合による受講解約の場合、10/15までは受講料の50%、10/16以降につきましては受講料の全額を解約金として申し受けます。

※学生料金:
個人もしくは学校からのお支払いで、30歳未満の方が対象となります。

[ 特定商取引法に基づく表記 ]

平等 拓範

自然科学研究機構 分子科学研究所

准教授

1985年,三菱電機LSI研究所.1989年,福井大学助手(レーザーリモートセンシング,LIDAR及びそのための固体レーザー,非線形光学研究に従事).1998年,分子科学研究所准教授(マイクロ固体フォトニクスの研究を提案).1993年,米スタンフォード大学客員研究員(重力波干渉計のためのLD励起Yb:YAGレーザー研究に従事).2006年,仏パリ第六大.2011年,仏ジョゼフフーリエ大客員教授.2013年,仏国立パリ高等化学学校.豊橋技術科学大学など客員教授歴任.OSA, SPIE, IEEE各フェロー.2004年,平成16年度文部科学大臣賞(第30回研究功績者),第24回光産業技術振興協会 櫻井健二郎氏記念賞など受賞.OSAではOMExの上級編集員,国際会議評議員,ASSL及びNLOの統合議長など.

山本 和久

大阪大学

光科学センター 副センター長、特任教授

1981年大阪大学基礎工学部電気工学科卒、同年松下電器産業(株)に入社。光導波路デバイス、光ディスク用青色SHGレーザー、映像・メディア機器へのレーザー応用(光メモリ、レーザーディスプレイ)などの研究に従事。
2009年から大阪大学光科学センター 副センター長、 特任教授。研究分野はレーザーディスプレイ・照明など。
・レーザー学会常務理事
・NPO法人日本フォトニクス協議会理事
・可視光半導体レーザー応用コンソーシアム代表

鷲尾 邦彦

有限会社パラダイムレーザーリサーチ

取締役社長

1968年 東京大学大学院、理学系研究科物理学修士課程修了。同年 NECに入社、中央研究所勤務。LED励起固体レーザ開発、OTDR用Qスイッチ固体レーザ開発、光ファイバ非線形光学効果の研究、マスクリペア、配線修正用レーザCVD基礎技術の開発などに従事。
1984年 同社光エレクトロニクス研究所光基礎研究部長、
1986年 同社レーザ装置事業部開発部長。同社レーザ装置事業部長代理、同社レーザ装置事業部技師長、同社FA開発本部長代理、同社制御システム事業本部主席技師長などを経て2003年8月に同社を定年退職。同年9月に有限会社パラダイムレーザーリサーチを設立、現在に至る。
レーザ加工学会理事、レーザー学会諮問員、レーザー学会フェロー、光協会・多元技術融合光プロセス研究会幹事。SPIE等で委員活動。米・LIAフェロー。工学博士(東北大学:1980年)。技術士(応用理学部門:1998年)

宮本 智之

東京工業大学

未来産業技術研究所 准教授

1991年東京工業大学工学部卒、1993年同大学院総合理工学研究科修士課程修了、1996年同博士課程修了、博士(工学)取得。 1996年東京工業大学精密工学研究所助手、1998年同量子効果エレクトロニクス研究センター講師、2000年同精密工学研究所准教授、2016年同未来産業技術研究所准教授。 2004年~2006年文部科学省研究振興局基礎基盤研究課ナノテクノロジ推進担当学術調査官を兼務。光半導体材料・光デバイス・光応用システムに関する研究に従事。現在、光無線給電の研究に注力。 平成17年度科学技術分野の文部科学大臣表彰若手科学者賞、第45回光学論文賞、第1回国際コミュニケーション基金優秀論文賞、平成8年度電子情報通信学会学術奨励賞など受賞。

藤本 靖

千葉工業大学

工学部電気電子工学科 教授

大阪大学大学院 工学研究科 電気工学専攻 博士(工学)修了
科学技術振興事業団
 博士研究員 (東京工業大学応用セラミックス研究所)
大阪大学レーザーエネルギー学研究センター
 博士研究員、助手、助教、講師、特任研究員(常勤)<客員准教授>
千葉工業大学 工学部 電気電子工学科 教授
現在に至る。

八木 哲哉

三菱電機株式会社

高周波光デバイス製作所 光デバイス部 主席技師長

大阪大学基礎工学部電気工学科卒業・同基礎工学研究科博士前期課程修了。
博士(工学)。
三菱電機株式会社入社。半導体レーザーの開発・事業化・生産に従事。
現在、同社高周波光素子製作所・主席技師長。
レーザー学会・レーザー照明・ディスプレイ技術専門委員会副主査
可視光半導体レーザー応用コンソーシアム・半導体レーザー専門委員会委員長
Laser Display and Lighting Conference 2018・Program committee co-chair