-レーザー技術総合研究所 オープンセミナー 

2017年11月14日(火) 13:00-16:10
【-1 レーザー技術総合研究所 平成28年度研究成果報告会 (ILT2017)

平成28年度研究成果報告会 (ILT2017)

開催概要

 公益財団法人レーザー技術総合研究所は2017年に創立30周年を迎えました。以来、レーザー・光技術の研究開発を産業界と共同で進めてきました。毎年、その研究成果を大阪と東京で発表してきましたが、今回、本展示会の会期初日に「ILT研究成果報告会」を開催します。
 研究成果報告会を通じ、レーザー・光技術の応用展開について皆様と議論できることを期待しています。また、レーザー技術総合研究所は本展示会に出展しています。ブースにて技術相談も受け付けています。

※テキストを希望の方は当日、別途3,000円で配布します。
(レーザー総研賛助会員・理事会社・学生の方は無料)

開会挨拶

公益財団法人 レーザー技術総合研究所 井澤 靖和

当研究所の研究概要

公益財団法人 レーザー技術総合研究所 井澤 靖和
 当研究所は今年で創立30周年を迎え、様々なレーザーとその応用技術開発を進めてきた。これまで取り組んできた研究概要を紹介すると共に、昨年度の研究成果の中で、以下の講演では紹介されないテラヘルツ計測、水中ナノ粒子生成等にについて報告する。

パルスレーザー加工の素顔に迫る 〜レーザーアブレーションの基礎とシミュレーション〜

公益財団法人 レーザー技術総合研究所 藤田 雅之
 様々なレーザー加工の中でも、特にパルスレーザーを用いた加工現象を理解するた めに、光の立場から見たレーザーと物質の相互作用について解説する。
 波長やパル ス幅が変わると、プラズマが発生すると、レーザー光の吸収がどう変わり、どのようなレーザー加工が実現できるのかをアブレーションプラズマのシミュレーション結果を交えて紹介する。

パワーレーザー開発への取り組み 〜水冷kW級Yb:YAGレーザー開発〜

公益財団法人 レーザー技術総合研究所 藤田 雅之
 我々は、液体窒素冷却型Yb:YAGレーザーにおいてkW級の出力を達成したが、現在さらに実用的なシステムの構築を目指し、水冷kW級レーザーの開発を進めている。発熱の抑制が期待されるゼロフォノンライン励起に着目した実験を進め、発振特性の温度依存性のモデル化を行った。レーザー媒質の動作温度を測定し、冷却手法等、高出力化に向け検討した結果を報告する。

パワーレーザー開発への取り組み 〜光学素子開発と失敗しない光学素子の選び方〜

公益財団法人 レーザー技術総合研究所 本越 伸二
 多くの国内外のメーカから光学素子が製造・販売されているが、同仕様のレンズ、 ミラーでも、価格や性能が異なる。このような状況で、何を基準に光学素子を選んだら良いのか、特に、高出力レーザー装置を取り扱う上での光学素子の注意点も含め、用途に応じた光学素子選びの考え方を紹介する。また、光学素子のレーザー損傷について、広く理解してもらうために、損傷しきい値のデータベースの構築を進めている。平成28年度に実施した355nm用ミラーおよび反射防止膜の試験結果を報告する。

レーザー計測の最前線 〜陸海空でのリモートセンシング技術〜

公益財団法人 レーザー技術総合研究所 染川 智弘
 レーザー計測は基礎科学から産業応用まで幅広い領域で利用されている。手元でのその場分析から数kmに及ぶ物質の分布計測まで陸海空で利用可能なリモートセンシング技術を中心に解説する。具体例として、我々が取り組んできた陸上(机上)での油成分分析、水中でのCO2濃度計測、大気中での黄砂や水蒸気分布計測等について紹介する。また、竹富島沖で湧出する火山性ガスに含まれるメタンの水中分布を測定する取り組みを報告する。

レーザー計測の最前線 〜鉄道トンネル検査における12年の歩みとインフラ検査最新技術〜

公益財団法人 レーザー技術総合研究所 島田 義則
 パルスレーザーを物質に照射して発生する衝撃波を用いて物質内部の情報を得ることができる。当研究所はこれまで鉄道トンネルを対象としてレーザーによる欠陥検出手法の実用化を進めてきた。12年間の研究の歩みを紹介すると共に、一昨年来取り組んできた検査の高速化の現状について報告する。また、本手法をインフラの健全性評価に幅広く展開するために橋梁床版の欠陥検出にも取り組んでおり、その最新成果を報告する。

併催イベント一覧へ

元のページに戻り選択を続ける
お申込み受付は終了いたしました。



セミナー申込手順

※有料セミナー キャンセル規程:
お客様のご都合による受講解約の場合、10/15までは受講料の50%、10/16以降につきましては受講料の全額を解約金として申し受けます。

※学生料金:
個人もしくは学校からのお支払いで、30歳未満の方が対象となります。

[ 特定商取引法に基づく表記 ]

井澤 靖和

公益財団法人 レーザー技術総合研究所

所長

大阪大学大学院工学研究科修了、工学博士 大阪大学工学部助手、助教授、大阪大学レーザー核融合研究センター(現レーザーエネルギー学研究センター)教授を経て、現在公益財団法人レーザー技術総合研究所所長。

藤田 雅之

公益財団法人 レーザー技術総合研究所

主席研究員

1983年大阪大学工学部電気工学科卒業、1992年カナダ・アルバータ大学大学院電気工学専攻博士課程修了、PhD取得。アルバータ大学研究員、(財)レーザー技術総合研究所研究員、副主任研究員、主任研究員を経て、現在主席研究員。光産業創成大学院大学客員教授、大阪大学レーザーエネルギー学研究センター招へい教授。レーザープラズマ相互作用、自由電子レーザー、光蓄積、パワーレーザー開発、短パルスレーザー応用(加工、環境計測)などの研究に従事。

本越 伸二

公益財団法人 レーザー技術総合研究所

主任研究員

1994年 大阪大学大学院工学研究科博士課程修了。工学博士。
1994年 財団法人レーザー技術総合研究所入所
固体レーザー開発、太陽光励起レーザー装置の開発研究を行う一方で、光学素子のレーザー損傷過程に関する研究に従事し、現在、国内唯一のレーザー損傷評価機関として、年間100個を超える光学素子の評価および相談に対応している。

染川 智弘

公益財団法人 レーザー技術総合研究所

副主任研究員

2008年大阪大学大学院理学研究科宇宙地球科学専攻博士後期課程修了,博士(理学),2008年より(財)レーザー技術総合研究所 研究員,2013年より副主任研究員.レーザー応用分光,フェムト秒レーザー加工の研究に従事,2010堀場雅夫賞受賞,応用物理学会,レーザー学会各会員.

島田 義則

公益財団法人 レーザー技術総合研究所

主任研究員

平成2年、大阪大学大学院工学研究科,電磁エネルギー工学専攻卒
平成4年、財団法人レーザー技術総合研究所入所、レーザー誘雷研究,フェムト秒レーザーを用いたダイオキシンの微量分析の研究,レーザープラズマからの極端紫外(EUV)光の発生の研究,レーザーを用いたトンネル覆工コンクリート欠陥検出の研究に従事.現在に至る.
1998年 レーザー学会 業績賞 進歩賞 「レーザー誘雷の実証研究」
                    2005年 プラズマ核融合学会 論文賞 「レーザー生成球対称Sn プラズマからの極端紫外線(EUV)放射特性」
2010年 日本鉄道技術協会 坂田記念賞 「レーザー超音波リモートセンシングによるコンクリート欠陥の非破壊検査法の開発」
2013年 レーザー学会 業績賞 進歩賞 「レーザーを用いたトンネル覆工コンクリート欠陥検査の研究」
2014年 土木学会 技術開発賞 「レーザーによる非接触計測技術を用いたコンクリート剥離検査装置の開発」
2016年 日本鉄道サイバネティクス協議会論文賞 「レーザを用いたコンクリート剥離検知装置の開発」