光学薄膜フェア 企画協力光学薄膜研究会

光学薄膜研究会 代表ご挨拶

代表 室谷 裕志 (東海大学 情報理工学部 情報科学科 教授)

光あるところに光学薄膜あり

 多くの未知の経験を人々に与えた新型コロナ感染も一段落しました。このコロナ禍は非接触な生活,紫外線による殺菌,各種分光学的手法による遺伝子解析など,医療,自動化,セキュリティなどの多くの分野での光の必要性を気づかせてくれました。「光あるところに光学薄膜あり」と言われるように,光学薄膜は主役・脇役として光学部品・製品の光学特性の向上を目的として必ず用いられます。これらの分野に関わる光学薄膜は,高機能性・高耐久性・高信頼性が要求されます。高い付加価値が求められる分野こそ,日本の光学薄膜産業の進む道の一つと考えられます。
 世界のトップレベルにある日本の光産業の中で光学薄膜も,その製造装置・成膜材料から始まり最終製品までの分野で世界を牽引しています。しかし,今後も世界をリードして行くには,情報収集と技術の研鑽が必要との観点から2011年に光学薄膜研究会は設立されました(加入企業140社:2023年8月)。光学薄膜研究会は「日本の光学分野の活性化を図る」,「光学関係の規格の標準化作業を進め,日本の国益を守る」と言う目的で1泊の宿泊研究会の開催を含む年4回の研究会と年1回の企業見学会を行うと共に,光学薄膜に関連するISO・JISなどの規格化活動も行っています。
 「第10回光学薄膜フェア2023」では紫外線から赤外線の広い波長分野での光学薄膜技術,光学薄膜に防汚・撥水などの機能を付加した機能性光学薄膜技術,光学薄膜の製造技術・評価技術など,世界の先端にある光学薄膜技術が展示やセミナーを通して見られると思います。特にセミナーでは基礎的な内容から実践的な内容まで受講できるプログラムになっていますので,光学薄膜を製造する方々だけでなく,使用する方々にも役に立つ内容だと思います。今回の「光とレーザーの科学技術フェア2023」が参加者の皆様と光産業の発展に寄与することを願っています。

光学薄膜フェア2023 開催概要

薄膜技術は眼鏡、カメラなどの反射防止膜はもとより、テレビカメラの多層反射防止膜や、特定の波長を透過あるいは反射させるためのフィルター(簡単な建材ガラスから大容量光通信システムの超多層膜フィルター等まで)、太陽電池や液晶ディスプレイパネルなどの透明導電膜など、広範な分野で利用されています。またディスプレイ装置や、各種光メモリ、薄膜太陽電池の製造にとっても薄膜技術はたいへん重要は技術として応用されています。 本展示会では我が国が得意とするこれら光学薄膜に関する製品を一堂に展示紹介いたします。

出展対象製品

  • ■光学薄膜応用製品
    カメラレンズ、眼鏡のレンズ、光学フィルター、増反射ミラー、ハーフミラー、反射防止膜、
    複層エコガラス(LOWE膜)、選択吸収膜(太陽熱温水器用等)、その他光学薄膜応用製品
  • ■光学薄膜製造・加工装置・材料
  • ■光学薄膜設計ソフト
  • ■光学薄膜周辺機器・関連装置、その他
出展申込みはこちら