・ポジショニング応用技術セミナー
企画協力:公益社団法人 精密工学会 超精密位置決め専門委員会
レンズ/ミラー駆動用高応答・多自由度アクチュエータの開発
手首関節モジュールi-WRISTの外観検査自動化への適用(仮題)
その一方で、特に日本では、少子高齢化による労働力不足が課題となっており、製造業において技能を必要とされる人材の不足が深刻化している。その対策として、各企業はこれまで人手で行っていた繊細で人の判断を必要とする作業についてもロボット化に取り組み始めている。
本講演では、これまで人手作業に頼ってきた自動車部品や電気電子部品の外観検査の自動化に焦点を当て、手首関節モジュールi-WRISTの機能と特長を中心に、一般的な産業用ロボットである垂直多関節ロボットとの比較を交えてわかりやすく述べたい。
1.外観検査の市場動向
2.手首関節モジュールi-WRISTの機能と特長
3.産業用ロボットの比較
日本初の分割望遠鏡技術 ー大型軸外し非球面鏡の保持、位置合わせ技術ー
せいめい望遠鏡は国内初、世界でも2例目となる分割式の鏡を有する望遠鏡である。大きさ1mで80㎏ほどの薄型の大型非球面鏡を18枚有し、全体で口径3.8mを実現した東アジアで最大の望遠鏡である。
鏡の加工には精密研削盤を用いた。加工機に直鏡を接保持させると堅牢ではあるものの、保持による変形が10μm程度になる。これに対し鏡を3点で過拘束することなく保持・位置決めし、加工による変形を予測することで1μmの加工精度を実現した。
望遠鏡は光学性能を達成するために鏡同士の段差を50nmの精度で常に保持する必要がある。一方、鏡の整列を乱す要素として、熱変形、重力変形、風圧、望遠鏡本体や建物からの微振動があり、外乱は要求精度の1万倍程度の大きさとなる。これら外乱に対し、各鏡の背面には3つのアクチュエータが取り付けられ、鏡面に対して傾斜2軸と上下1軸の駆動を行う。この制御システムは鏡間の段差を検出するエッジセンサ、その出力から適切な段差補正量を算出する演算部、補正量に従って鏡を駆動するアクチュエータと鏡の支持機構からなる。
鏡は重力変形に対して大変柔らかい。鏡の支持機構は鏡面の重力変形を抑え、アクチュエータ駆動に対しては自由であり、残りの3自由度に対しては機械的に拘束する必要がある。支持機構と駆動機構はすべて無関節の弾性機構から成り、すべてが一体となった遊びやヒステレシスの無い弾性体とみなせる構造となっている。
企画協力:公益社団法人 精密工学会 超精密位置決め専門委員会
多相空気流や超音波浮揚による薄板の非接触搬送
本講演では、超音波浮揚を用いた2次元搬送法と多相空気流を用いた薄板の1次元搬送法の原理およびプロトタイプの構成とそれを用いた駆動特性を紹介する。
超音波浮揚を用いる方法では、振動板に4個の振動子により超音波振動を加えてスクイーズ効果により浮揚させるとともに音響粘性流による進行波を発生する。振動子の組み合わせを変えることで進行方向を切り替えることができる。また、スクイーズ効果により振動板から被搬送物が逸脱することがないという利点もある。
多相空気流を用いる方法では、各相で正負圧空気流を切り替えることで薄板をわずかに傾けることで推力を発生する。またこの空気流のパターンを反転することで、双方向に駆動することも可能である。
プロトタイプにおける浮上量と加速度は両方とも0.1mmと20mm/s2程度である。
特定の特性改善のために設計された新しいアクチュエータとそのアクチュエータの高性能制御システム
そこで本講演では、機構の中心的な存在であるアクチュエータを取り上げ、従来にない特徴を持たせる設計を行い、その過程で生じた性能劣化要因を補償するコントローラと組み合わせて、これまでにない特徴をもつ精密位置制御系を実現した結果を紹介する。具体的には、超高加速・高速性能に特化したリニアモータ、全体が薄く省スペースで、交換容易・使い捨て可能なフィルム可動子を含むリニアスイッチトリラクタンスモータ、感温磁性体を用いた省エネルギーアクチュエータを取り上げ、それらの位置精度劣化要因を補償できるコントローラとその効果を紹介する。
超精密加工機における位置決め技術
そこで、このような幅広い位置決め性能への要求に必要な機械技術を解説し、これらを生かした加工事例を紹介する。
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※学生料金:
個人もしくは学校からのお支払いで、30歳未満の方が対象となります。
進士 忠彦
東京工業大学
科学技術創成研究院 未来産業技術研究所 教授
1992年3月 東京工業大学 大学院総合理工学研究科 精密機械システム専攻 修士課程修了,2000年3月 博士(工学)(東京工業大学),
1992年4月~1995年3月 日立製作所 機械研究所,1995年4月から,東京工業大学 精密工学研究所 助手,助教授,准教授,教授を経て,現在 東京工業大学 科学技術創成研究院 未来産業技術研究所 教授
[現在の主なご研究フィールド]
超精密位置決め機構,磁気軸受を用いた補助人工心臓,磁気MEMSなどの研究
数野 恵介
NTN株式会社
産業機械事業本部 R1プロジェクト プロジェクトリーダー
1992年 静岡大学 工学部 電気工学科 卒
1992年 NTN株式会社 入社、精密機器技術部 配属
(省略)
2000年 自動車製品技術部 転属 ボールねじ製品開発・設計担当
(省略)
2015年 産業機械技術本部 CMS技術部 転属 センサ・直動担当
(省略)
2018年 現職
栗田 光樹夫
京都大学
大学院理学研究科 准教授
名古屋大学が南アフリカ天文台サザーランド観測所に建設した1.4m望遠鏡の開発にたずさわって以降、望遠鏡を中心に観測装置の開発を行ってきた。2005年名古屋大学で博士(理学)を取得後、同大学助手を経て、せいめい望遠鏡計画に参画し、2012年から京大理准教授。装置開発に関する学術論文と特許多数。
古谷 克司
豊田工業大学
工学部先端工学基礎学科 教授
1991年 東京大学大学院工学系研究科修士課程修了
1994年 博士(工学)
1991年 東京工業大学精密工学研究所・助手
1992年 豊田工業大学・助手,講師,助教授を経て2007年 同教授(現在に至る)
1995年 カリフォルニア工科大学・客員研究員(兼任)
2004~2006年 JAXA宇宙科学研究本部・客員助教授(兼任)
佐藤 海二
豊橋技術科学大学
大学院工学研究科 機械工学系 ロボティクス・メカトロニクス研究室
2007年東京工業大学大学院総合理工学研究科 准教授
2016年東京工業大学科学技術創成研究院未来産業技術研究所 准教授
2017年豊橋技術科学大学大学院工学研究科 機械工学系ロボティクス・メカトロニクス研究室 教授
現在に至る.
精密メカトロニクス,精密運動制御,アクチュエータの研究に従事.
精密工学会,日本機械学会,電気学会,ASPE,IEEEの会員
福田 将彦
東芝機械株式会社
ナノ加工システム事業部 ナノ加工開発センター
1998年に東芝機械に入社.
超精密加工機用多孔質絞り軸受の開発に従事,実機搭載にともない,精密機器事業部(現:ナノ加工システム事業部)へ移籍,超精密加工機の製造から加工開発などを担当.