・レーザーによる計量標準・計測技術の最前線

2019年04月25日(木) 09:30-12:20 会場:アネックスホール F203
【NM-1 コース】 レーザーによる計量標準・計測技術の最前線

計量・計測に関わる最新動向と国際標準化のトピック

(国研)産業技術総合研究所 小畠 時彦
国立研究開発法人産業技術総合研究所の計量標準総合センター(National Metrology Institute of Japan; NMIJ)は、持続可能な社会の構築、生活・環境の評価と向上、産業の国際競争力強化への貢献を目指し、国家計量標準機関として国が整備すべき計量標準の開発・供給と利活用促進、計量標準の普及、計量標準に関連した計測技術の開発、法定計量業務の実施と人材の育成について重点的に取り組んでいます。本日の講演では、計量標準と計測技術に関わる最新の動向及び国際標準化の取り組み状況について概説します。また、2018年11月にフランスのベルサイユにおいて開催された第26回国際度量衡総会で採択された国際単位系(SI)基本単位の新定義について紹介します。新定義は今年の5月20日(世界計量記念日)から適用され、今後、さらなる計測技術の発展が期待されます。
難易度:入門程度(大学一般教養程度)

光格子時計と精密周波数計測技術の応用

(国研)産業技術総合研究所 赤松 大輔
時間の単位である「秒」は、セシウム原子を基準として用いることで定義され、原子泉型セシウム原子時計により高精度に実現されています。近年、より高精度に1秒を実現する手法として「光格子時計」が注目されています。東京大学 香取教授により提案・実現された光格子時計は、すでにセシウム原子時計を超える性能が実証され、新たな秒の定義として期待されています。
本講演では、原子時計の動作原理から始め、光格子時計の肝をなるべく平易にご紹介致します。さらに、秒の再定義への展望、そして光格子時計の地質学への応用などに関してもご紹介致します。
難易度:入門程度(大学一般教養程度)

レーザー干渉と表面分析によるシリコン球体の評価技術(キログラムの新しい定義への応用)

(国研)産業技術総合研究所 藤井 賢一
国立研究開発法人産業技術総合研究所の計量標準総合センター(National Metrology Institute of Japan; NMIJ)では、人工物に頼る最後の基本単位であるキログラムの定義を改定するために、ドイツやイタリアなどの海外の計量標準研究機関(NMI)等と協力し、2004年からアボガドロ国際プロジェクトを開始しました。このプロジェクトでは、質量数28の珪素の同位体だけを濃縮した5 kgの単結晶を作製し、この結晶から得られた1 kgの球体に含まれる原子の数をX線結晶密度法によって正確に計測することによって、現在のキログラムの定義として用いられている国際キログラム原器の質量安定性を超える精度でアボガドロ定数を計測することに成功しました。2017年に科学技術データ委員会(CODATA)が実施した基礎物理定数の特別調整では、このプロジェクトで得られたアボガドロ定数などを用いて、キログラムの新しい定義として用いられるプランク定数の値が決定されました。さらに、この値を用いてキログラムの定義を改定することがメートル条約にもとづいて開催された第26回国際度量衡総会において2018年11月に採択されました。これによって、国際単位系(SI)は人工物などに頼らない理想的な単位系へと進化します。
本講演では特に130年ぶりとなるキログラムの定義改定に貢献したシリコン球体の超精密形状計測技術と表面分析技術などについて紹介するとともに、今回の定義改定がもたらす影響などについて展望してみたいと思います。
難易度:入門程度(大学一般教養程度)/初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)

3次元形状計測

(国研)産業技術総合研究所 阿部 誠
産総研の幾何標準研究グループは、ものづくり産業の要請に応えた幾何学量の標準供給と計測標準の研究開発を推進することにより、日本の産業界の競争力強化に資する橋渡し機能の達成を目指しています。本講演では産業ニーズの高まっている、三次元空間の寸法・形状の測定技術や評価技術について、特に光学式形状計測やX線CTによる内外計測を中心とした最近の技術動向について概説します。併せて、国際的な協調開発体制を日本がリードしている性能評価法ISO規格の開発動向に関する現状と展望をわかりやすく解説します。
難易度:入門程度(大学一般教養程度)

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小畠 時彦

国立研究開発法人 産業技術総合研究所

計量標準総合センター 計量標準普及センター センター長

1995年筑波大学大学院工学研究科物理工学専攻修了。博士(工学)。同年通商産業省工業技術院計量研究所入所。2000年米国国立標準技術研究所(NIST)客員研究員。2001年独立行政法人産業技術総合研究所計測標準研究部門力学計測科圧力真空標準研究室主任研究員。圧力真空標準研究室研究室長、計測・計量標準分野研究企画室長、工学計測標準研究部門副研究部門長を経て2018年より計量標準普及センター長。
2012年-2015年 アジア太平洋計量計画(APMP)質量関連量技術委員会(TCM)委員長、2013年-2015年 計測自動制御学会理事、2016年から国際計測連合(IMEKO)圧力真空計測技術委員会(TC16)委員長。

赤松 大輔

国立研究開発法人 産業技術総合研究所

計量標準総合センター 物理計測標準研究部門 時間標準研究グループ 主任研究員

2007年東京工業大学大学院博士課程修了。博士(理学)。
同年日本学術振興会特別研究員(PD)を経て2009年より現職。
2015年~2016年 MIT客員研究員。
専門は量子光学、量子エレクトロニクス。
産総研では、SrおよびYb光格子時計の開発・高度化に従事。近年は光トラップされたナノ粒子の運動制御に関する研究にも従事。

藤井 賢一

国立研究開発法人 産業技術総合研究所

計量標準総合センター 工学計測標準研究部門 首席研究員

1984年 慶應義塾大学大学院 工学研究科 機械工学専攻修了。同年通商産業省 工業技術院 計量研究所 入所。密度標準に関する研究に従事。アボガドロ定数の測定に関する研究に着手。1994年 米国国立標準技術研究所(NIST)客員研究員としてワットバランス法によるプランク定数の測定に関する研究に携わった。帰国後の1998年 シリコン単結晶の密度の絶対測定に関する研究により学位取得。博士(工学)。2001年 独立行政法人 産業技術総合研究所 計測標準研究部門 熱物性部 物性計測研究室 研究室長。2011年 内閣官房 知的財産戦略推進事務局 政策参与。2015年 計量標準総合センター 工学計測計測標準研究部門 首席研究員。科学技術データ委員会(CODATA)基礎定数作業部会(TGFC)委員、国際度量衡委員会(CIPM)質量関連量諮問委員会(CCM)密度粘度作業部会(WGDV)議長、単位諮問委員会(CCU)委員、アボガドロ国際プロジェクトのコーディネーター。

阿部 誠

国立研究開発法人 産業技術総合研究所

計量標準総合センター 工学計測標準研究部門 幾何標準研究グループ長

1987年 豊橋技術科学大学大学院エネルギー工学専攻修了。2001年 博士(工学)。1987年 株式会社ミツトヨ入社、同社 計測技術研究所、欧州研究所、つくば研究所において3次元座標測定とその信頼性の研究に従事。2012年独立行政法人産業技術総合研究所入所。3次元座標測定について、接触式、光学式、X線CTなどによる標準の開発に従事。改組により現在、国立研究開発法人産業技術総合研究所 計量標準総合センター 工学計測標準計測部門 幾何標準研究グループ長。座標測定機に関するISO技術委員会日本代表、ISO 10360-13 : Optical 3D CMSプロジェクトリーダ。JIS原案作成委員会委員。アジア太平洋計量計画(APMP)長さ技術委員会副委員長兼日本代表。長さ諮問委員会(CCL)日本代表。JCSS長さ分科会長。国際計量研究連絡委員会長さ分科会長。産業技術連携推進会議知的基盤部会計測分科会形状計測研究会長。