・AIとオプティクス(日本光学会AI Optics研究グループ)

2019年04月26日(金) 09:30-12:25
【AI-1 AIとオプティクス

企画:一般社団法人 日本光学会 AI Optics研究グループ

コンピュテーショナルイメージング

大阪大学 堀崎 遼一
コンピュテーショナルイメージングは、信号処理を前提にしたイメージング技術の総称である。近年の計算機の演算パワーの向上が追い風となり、コンピュテーショナルイメージングのフレームワークにもとづく多様な高機能イメージングシステムが提案されている。例えば、波面符号化による被写界深度拡張、ライトフィールドカメラによるリフォーカシングや視点移動、コンプレッシブセンシングによる多次元イメージングなどが挙げられる。また、特に機械学習に代表される情報科学の急速な発展を取り込みつつ、コンピュテーショナルイメージングの新たな可能性も最近報告されている。我々も機械学習を利用したコンピュテーショナルイメージングに取り組んでおり、散乱体を通した光計測や光制御などをデモンストレーションしてきた。これらの成果は機械学習に代表される新たな情報科学技術を積極利用することで、これまで困難とされてきた新奇機能の光学システムへの付加や、光学システムの新たな設計フレームワークの可能性を示している。本講演では、我々が取り組んでいるコンピュテーショナルイメージングの研究例を機械学習を軸に紹介する。
難易度:入門程度(大学一般教養程度)

AIとレーザー加工

宇都宮大学 長谷川 智士
我が国のモノづくり環境は、少子高齢化による労働人口の減少や、地球温暖化対策によるCO2排出量削減の課題に直面しており、国際競争力を強化し、持続的に発展していくための大きな変革が求められている。そのアプローチとして、IoT(Internet of thing)や人工知能(AI)を活用したスマートモノづくりの研究開発が活発化している。次世代のスマートモノづくりでは、モノの生産方式が従来の少品種大量生産から多品種少量生産へと移行し、難加工材料を含む多様で付加価値の高い素材が扱われる。加えて、省電力・省人化を目的としたAIによる加工機の自動化や、複数工程の加工(穴あけ、切断、溶接)を1台の装置で行う機能の集約化が進むとされている。そのスマートモノづくりの中核を担う技術として、レーザー加工が注目されている。
従来のレーザー加工では、そのパラメータの膨大さゆえに、個々の材料に応じた加工の最適な条件出しに多大な時間が必要とされた。そのため、これまでに培った経験と直感を頼りに職人技でパラメータが絞られていた。当然ながら、この方法は、将来の多品種少量生産には対応できず、コスト高を招く。その課題を解決するために、近年、AI支援によるレーザー加工システムの開発が進められている。AI支援レーザー加工システムは、従来のレーザー加工におけるパラメータの条件出しをAIの活用により高速化し、高効率で高品質な加工を実現する。そのシステムは、光照射パラメータが、加工結果に対してどのような影響を及ぼすかの解析値をデーターベースとして蓄積し、AIによる機械学習によって、特定の材料に対する最適な加工レシピを導き出す。データーベースを機械学習に対応させるためには、膨大な解析値が必要なため、加工と解析の両方を高速に繰り返し試行し、自動化することが必須となる。
本稿では、近年のAI支援レーザー加工の研究動向について述べる。
難易度:中級程度(大学院程度、レーザー加工にある程度の知識を有する方)

AIとイメージング

東京工業大学 中村 友哉
近年、撮像後の信号処理のみならず撮像そのものに作用するAI応用技術の研究が活発化している。
本講演では、特に光学研究の観点から近年のイメージング領域におけるAI技術応用研究例を俯瞰し、解説する。
難易度:初級程度(大学専門程度、基礎知識を有す)

併催イベント一覧へ

元のページに戻り選択を続ける
お申込み受付は終了いたしました。


お支払方法
●クレジットカード
●当日支払

セミナー申込手順

※有料セミナー キャンセル規程:
お客様のご都合による受講解約の場合、3/25までは受講料の50%、3/26以降につきましては受講料の全額を解約金として申し受けます。

※学生料金:
個人もしくは学校からのお支払いで、30歳未満の方が対象となります。

[ 特定商取引法に基づく表記 ]



堀崎 遼一

大阪大学

大学院情報科学研究科 助教

2007年 大阪大学大学院情報科学研究科博士前期課程修了
2010年 大阪大学大学院情報科学研究科博士後期課程修了
2010年〜現在 大阪大学大学院情報科学研究科助教
2017年〜現在 JSTさきがけ(兼任)

長谷川 智士

宇都宮大学

大学院 工学研究科 先端光工学専攻 助教

1982年9月14日生まれ.福井県出身.2010年宇都宮大学大学院工学研究科博士後期課程情報制御システム科学専攻修了.博士(工学).2010年宇都宮大学オプティクス教育研究センター特任研究員.2014年宇都宮大学オプティクス教育研究センター助教.2015年宇都宮大学大学院工学研究科先端光工学専攻助教,現在に至る.レーザー加工,光情報処理,および光計測が専門.計算機ホログラムを用いた高強度超短パルスレーザーと物質との相互作用に関する研究に従事する.応用物理学会,日本光学会,レーザー学会各会員.

中村 友哉

東京工業大学

工学院情報通信系 助教

平成27年3月,大阪大学大学院情報科学研究科にて学位を取得.
同年4月より現職.