第1回レーザー学会産業賞の発表迫る

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いよいよ来週4月22日から24日までパシフィコ横浜で『レーザーEXPO2009』、『レンズ設計・製造展2009』、『光ファイバ応用技術展2009』が始まります。今週はその準備で社内がバタバタとしています。これらの展示会のうち『レーザーEXPO』を主催しているレーザー学会では本年より「第1回レーザー学会産業賞」を選定し、優秀賞3件、奨励賞3件を表彰することになっています。初日4月22日(水)の11時から展示会場内でその表彰式が行なわれます。
同学会では、レーザーの技術と応用の一層の普及促進を図るとともに、レーザーの新技術育成と実用化・製品化に貢献することを目的として、技術・実績・新規性・市場性に優れ、レーザー関連産業の発展に大きく貢献すると認められる製品・応用を表彰する制度を創設し、昨年11月からレーザー学会産業賞の公募を行っていました。
今年度は優秀賞3件(装置システム部門、コンポーネント・デバイス部門、産業応用部門と各部門別に1件)と奨励賞(部門別はなし)3件に対して表彰がされる予定です。どんな製品・技術が選ばれるか関係者の一人として今から楽しみです。初日にレーザーEXPOに来られる方は是非第一回目のセレモニーにご参加されることをおすすめします。
初日には13時からレーザー学会招待講演なども予定されており、東大名誉教授の霜田光一先生の「レーザー物理の発展は続く–レーザー技術に天井があるか?」と理化学研究所の緑川克美先生の『レーザー物理の最前線–エクストリームフォトニクス』という講演を無料で聴くことが出来ます。既に定員に達していますが、立見覚悟なら当日どうぞお運び下さい。
 
<本件に関する問合せ先>
㈳レーザー学会 事務局 事務局長 渡部 美代一
〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2-6
TEL 06-6878-3070 FAX 06-6878-3088
追伸)先週の金曜日から早朝より起きだし、連日マスターズのテレビ観戦。特に本日は朝の5時前から起きて見ていたので、やや寝不足気味ですが、片山晋呉が堂々の4位に入賞してくれたので気分は爽快です。

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編集長の今月のコメント(2009年4月)

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編集長 川尻多加志

 フェムト秒レーザは、従来のCO2レーザやYAGレーザとは違って,非常に短い時間内にレーザエネルギーを集中できるという特徴を持っています。これによって熱的でない物質加工ができ,またピークパワーも高いので非線形現象を利用した特殊な加工も可能です。その応用は半導体材料や金属材料はもちろん,透明材料の加工や医療・バイオ分野など,幅広い分野にブレークスルーをもたらすと各方面から注目を集めています。
 今月号の特集はフェムト秒レーザとその応用の最新動向を取り上げました。企画していただいたのはレーザー技術総合研究所の藤田雅之主任研究員です。総論でも述べられているように,フェムト秒レーザを用いた加工研究のトレンドは,これまでのアブレーション加工から,材料の外形を変えずに性質を変える表面改質にシフトしつつあるということです。各ご執筆者の方々にはフェムト秒レーザが持つ短パルスと高ピークパワーという特徴を利用した夫々の最新研究事例を紹介していただきました。
 
 今月号のフォーカルポイントにも掲載しましたが,光産業技術振興協会の光産業国内生産額統計2007年度実績,2008年度見込み,2009年度予測が発表されました。注目の結果は2007年度実績が8兆705億円(成長率2.6%)と2年連続の増加となったものの,2008年度見込みは7兆9,644億円(同マイナス1.3%)と8兆円台を割り込み,昨年度予測の8兆7,041億円(同6.4%)を大幅に下回りました。また2009年度予測は引き続き市場が縮小する見通しで7兆7,579億円(同マイナス2.6%)と,厳しい数字になっています。
 2008年度の見込みを分野別に見ると入出力分野が9.4 %減になったものの,その他の情報通信,ディスプレイ,光ディスク,センシング・計測分野は頑張っています。ただし,レーザ加工分野が21.5 %減と急激に落ち込みました。CO2レーザが22.2%減,固体レーザ5.4 %減,エキシマレーザも25.8%という大幅減少です。救いは太陽電池分野で26.2 %増(5,073億円),グリーンテクノロジー関連は期待が持てそうです。
 統計は2008年10月から2009年1月末にかけ116社から回答を得て,他の業界団体の調査結果も加味して作られましたが,今後2008年度の数値が下振れしないか,さらに2009年度の数値がどうなるか,気になるところです。
 
 3月8日は「光の日」でした。制定したのは日本学術振興会光エレクトロニクス第130委員会(後藤顕也委員長),光の速さが真空中でほぼ3×108m/sであることに由来しているそうです。毎年この日の近辺には「光の日」公開シンポジウムが開かれているのですが,今年は3月9日(月),東京・神楽坂の東京理科大学・森戸記念館で行われました。委員会では会員を募集中だそうです。普段はクローズドな四つの部会において厳選したテーマのもと議論を交わしていますが,オフレコであるがゆえに本音の討論ができ,研究開発の芽などを探索するには格好の場を提供してくれます。

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OFC2009(サンディエゴ)訪問顛末(2)

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日本を飛び立った後、予定通りロスアンゼルスに到着し、予約をしていた専用車に乗りかえてサンディエゴに向かった。兎に角日本を出るまでが大変だったけれど、シンガポール航空の対応には非常に良い印象をもった。さすがにHospitality世界一を目指している航空会社だけのことはある。
サンディエゴに着き、とりあえず投宿先のBristolホテルに入りシャワーを浴び、スーツに着替え展示会場に向かった。

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<Bristolホテル>

予定より一日遅れで米国に入っているので、展示会は既に始っている。弊社のブースはセンター通路に面したなかなか良い場所に位置していたが、何も装飾を施していない殺風景なブースは却ってマイナスイメージだ。しかも展示予定物は成田空港に置きざりで(前回の状況報告参考)、持ってきているのはブースに貼るポスター3枚とPR動画を流すためのノートPCだけである。それらをブース内に設置しとりあえずはThat’s allだ。
OFC/NFOEC2009の展示会の会期は3月24日~26日、会場はSan Diego Convention Centerである。WBCで侍JAPANが戦ったペトコ・パークの直ぐ横の海に面した展示施設だ。

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<ペトコ・パーク>
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<展示会場>

主催者OSAの発表では、出展社数は550社ということだが、中国からの企業がやたら目につく。聞くところによると中国の出展募集Agentが頑張って89社もの中国企業を出展させたと言うことだ。
通信バブルの2000年頃に較べれば静かなものだが、それなりに来場者も入っており(主催者発表登録者数;9500名)、世界同時不況下にもかかわらず、光通信関連ビジネスが立ち直ってきていることが窺がえる。日本企業の出展は現地法人を含めても30社程度で、NTT-AT、NEL、日本板硝子等が少し大きなスペースで出展していたが、全体としては存在感に欠けていた。韓国はパビリオンを形成していたが、日本もJAPANパビリオンを作って出展すればもう少し目立つと思われる。

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<会場内風景>

24日の17時から出展企業のレセプション、18時半から会議出席者のレセプションが開かれていたので筆者はその両方に参加し、色んな関係者と話をすることができた。国際会議と展示会の詳細についてはオプトロニクス誌の5月号でレポートを行なう予定であるので参考にされたい。

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<出展社レセプション>
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<会議参加者レセプション>

(追伸)OFC2009(サンディエゴ)訪問顛末(1)

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OPTRONICS WORLD 2009の見どころ

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早いもので今年も4月になってしまった。今月の22日~24日の期間、春の恒例行事OPTRONICS WORLD(レーザーEXPO2009レンズ設計・製造展2009光ファイバ応用技術展)をパシフィコ横浜で開催する。
3つの展示会をあわせて関連する217団体・企業が出展予定である。各社の出展予定内容は月刊オプトロニクスの4月号に収録されているのでそちらを参考にされたい。ここでは主だった注目装置をレーザー、レンズの順に紹介する。
ファイバレーザー』は光ファイバのコアに希土類を添加し、これを増幅器として用い、光の伝播媒体が空気でなく光路がすべて光ファイバで構成されるレーザーで、従来のレーザーと比べ、大幅な小型化を実現しており、長時間安定、放熱性に優れる、光通信に利用しやすいなど多くの特長を有しており、現在最も注目を集めているレーザーの一つである。アルネアラボラトリ、エフ・アイ・ティー、オーテックス、オプトサイエンス、オプトピア、カンタムエレクトロニクス、コヒレント・ジャパン、サンインスツルメント、スペクトラ・フィジックス、ティー・イー・エム、日本レーザー、ネオトロン、ハナムラオプティクス、プネウム、丸文、ライミス、光貿易など数多くの企業がファイバレーザーの出品を予定している。
ナノテク分野で近年脚光を浴びているレーザーが『フェムト秒レーザー』だ。超短パルスレーザーの特長をいかして、MEMS向けはもとより、新しい分野における応用に期待が高まっている。フェムト秒レーザーの出展を予定している企業には、アルネアラボラトリ、エクセルテクノロジー、オプトサイエンス、コヒレント・ジャパン、スペクトラ・フィジックス、日本レーザー、フォトテクニカなどがある。
また『LD励起レーザー(DPSSレーザー)』の出展を予定しているのは、インデコ、エクセルテクノロジー、スペクトラ・フィジックス、スペクトロニクス、ジェイディーエスユニフェーズ、フォトンリサーチ、サンインスツルメント、サンプラス、日本レーザー、プネウム、メレスグリオ。
『高出力半導体レーザー』はイエナオプティックレーザダイオードジャパン、エクセルテクノロジー、キーストンインターナショナル、コヒレント・ジャパン、スペクトラ・フィジックス、浜松ホトニクス、ビーム、プレサイスゲージ、光貿易などが出展予定である。
非球面レンズ』とは、通常球面であるレンズ表面を、球面でも平面でもない形に加工下レンズで、メガネレンズやカメラ用のレンズに広く採用されており、最近の目覚しい技術革新により、今後も色んなところに採用されていくであろう。エドモンド・オプティクス・ジャパン、住友電気工業(以上レーザ)、旭硝子、生田精密研磨、オーエムジー、シム・オプチカル、住田光学ガラス、長津製作所、日本電気硝子、ホッタレンズなどが出品を予定している。
マイクロレンズ』とは、直径が0.1~数mm程度の微小なレンズの総称で、光の分波、分岐、結合に利用されている。カンタムエレクトロニクス、NTT-ATナノファブリケーション、オプトシリウス、オリオン・オプティクス、住田光学ガラス、橘光学、日本電気硝子などが出展する。
その他レンズ関連では『試作』をしてくれる企業の活躍も見逃せない。光学技研、CBCオプテックス、東成エレクトロビーム、飯山特殊硝子、清原光学、渋谷光学、セラテックジャパン、橘光学、羽田光機、ピーアンドシー上島、ひなー社、竜東光器、和絋工業など高い技術力を誇る各社が出展している。
追伸)下記をクリックしたら昨年の会場風景が動画で見れます。
http://www.optronics.co.jp/opt_w/2008/movie/

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OFC2009(サンディエゴ)訪問顛末(1)

3月23日の朝、テレビのスイッチを入れたら成田空港で飛行機が着陸に失敗し、炎上している映像が流れているではないか。その影響で成田空港A滑走路は現在閉鎖中との報道である。一体今日のサンディエゴ行きはどうなるのか?3月24日から始まる光通信関連の世界最大級のコンファレンス&展示会OFC/ NFOEC2009(主催;米国光学会=OSA)に参加する予定である。成田の出発時間は18時過ぎなので少し様子を見てみよう。搭乗予定のシンガポール航空のホームページを見ると午前中の便は全てキャンセルとなっているが午後便は「定刻通り」となっている、これはとりあえず成田に向かうしかない。
先ず最初のつまずきは予約していた新宿からの成田エクスプレスが強風のため30分程度遅れている。これでは予定集合時間に間に合わないので、同様に遅れている一本前の成田エクスプレスにギリギリ変更手続きをし、飛び乗ることができた。「ヤレヤレこれで安心」と何とか集合時間の4時に成田に着くと「シンガポールからの機材が到着しないので、本日は飛ばない」というではないか。「ただ今のところ明朝24日の8時半ころ出発の予定です。もしご自宅に帰られるなら交通費をお支払いします。帰れないようならホテルの手配をさせていただきます。」と告げられ、物理的に自宅に帰ることは無理なのでホテルに泊まることにした。空港内のレストランで支給された2000円フリー食事券を利用しながら時間をつぶし、18時半にホテルに移動する人が大勢集まった集合場所に戻り、バスで投宿先の舞浜のシェラトンホテルに移動した。米国に帰る人達の荷物の数が多く、バスの収納場所内に収まらないので、一部の人は成田近傍のホテルに変更させられている。移動中バスの中は特に苛立つ事もなく、非常時体験を共有している者同士、さしずめ国際親善団体旅行のように打ち解けた雰囲気だ。
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<成田空港から舞浜のホテルにチャーターバスで移動中>
50分程度でホテルに到着。舞浜のシャラトンホテルは中々素晴らしホテルで、部屋も広くて気持ちが良い。ホテルで待機していたシンガポール航空の方から改めて説明があり、明朝は9時モーニングコールで10時にホテルを出発、成田に向かう予定だが、場合によると羽田に移動し、伊丹空港経由で関西空港から出発の可能性もあるという。
これを聞いた弊社のSが「しまった。そうなると成田に預けている展示用資料がピックアップできない」と大切なことを思いだした。成田に折衝するが規則上、転送は不可能だということなので、そうなれば諦めるしかない。
24日の朝は、予定より早く7時ころにモーニングコールがあった。とりあえず朝食をとり8時前に部屋に戻ると、係りの人が部屋に来てこれから羽田に向かうと言う。悪い予感が的中だ。予定の飛行機は成田には飛んでこないで、関西空港に着くらしい。バタバタと出発準備をして、各々タクシーで羽田に駆けつけ、そこから全日空で伊丹空港に移動する。
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<舞浜から羽田空港にタクシー移動中>
現地でもシンガポール航空の担当者が待機しており、東京から移動してきた120名弱を手際良く?4台のバスに分乗させ、関西国際空港に向かうことになった。バスの中ではアメリカンフットボールの親善合宿で川崎に来ていた米国のハイスクールの代表選手達が楽しいそうに車窓からの風景を眺めている。彼らもまさか関西方面のエキストラツアーまで体験できるとは思っていなかっただろう。
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<伊丹空港から関西国際空港にチャーターバスで移動中>
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<車窓から見る堺臨海工業地帯>
関西で待ち受けていたシンガポール航空の担当者は大変だ。日本に飛んできた人たちの到着後の手配と、これからアメリカに向かう人達の世話を同時にこなしていると言う。空港ロビーのテレビを見ていたがWBCの決勝戦9回韓国が日本に3対3に追いついたところでタイムアウトとなる。その後の結果を気にかけながら、飛行機はアメリカに向けて約20時間遅れで飛び立った。
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これから先の話は次回のブログに譲る。

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新エネルギーバブル!とオバマ就任演説

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タイトルは今週号の東洋経済の表紙に書かれた特集テーマである。金融危機からの脱出に向け、各国とも環境エネルギー対策には非常に熱心で、一種バブルの様相を呈している。先のオバマ大統領の就任演説の次のくだりもその一因だと言われている。

The state of the economy calls for action, bold and swift, and we will act – not only to create new jobs, but to lay a new foundation for growth. We will build the roads and bridges, the electric grids and digital lines that feed our commerce and bind us together. We will restore science to its rightful place, and wield technology’s wonders to raise health care’s quality and lower its cost. We will harness the sun and the winds and the soil to fuel our cars and run our factories. And we will transform our schools and colleges and universities to meet the demands of a new age. All this we can do. And all this we will do.(就任演説より一部抜粋)
「経済状況は、大胆で迅速な行動を求めている。我々は新しい職場の創造だけでなく、成長のため新しい基盤を作らねばならない。我々は道路や橋、電線やデジタル通信網をつくり、我々の商業を支え、我々の結びつきを強めなければならない。我々は科学を本来あるべき場所に引き戻し、技術を活用し医療の質を引き上げると共にコストを下げる。
太陽、風や土壌を使って我々の自動車の燃料とし、工場を動かす。我々の学校や単科大、大学を新たな時代の要請にあわせるようにする。これらすべてが我々には可能だ。これらすべてを我々は実行するのだ。」
(訳出は毎日新聞社の「毎日JP」より一部抜粋)

報道などでご存知だと思うが、アメリカは既に風力発電の設置量では世界トップの座にあり、太陽熱発電などの巨大な新エネルギープロジェクトが目白押しだという。太陽熱を利用してタービンを回し発電するためには広大な砂漠の存在が不可欠で、日本国内ではこのような巨大計画は実現の可能性はほとんど無いだろう。我が国が目指すは太陽熱ではなくやはり太陽光発電である。
我が「オプトロニクス」でも昨年9月号で「飛躍する太陽電池」と言う特集号を刊行しており、再ウォッチングをしているジャンルの一つである。今年も6月号で太陽電池の特集号を予定しており、その関連で一昨日は「太陽光発電技術研究組合」の桑野幸徳理事長にお目にかかり、太陽光発電にまつわる話をお聞きした。桑野理事長はいわずと知れた三洋電機の元社長で「太陽電池博士」の異名をもつ、我が国太陽電池研究・事業化の牽引者である。オプトロニクス誌には三洋電機時代(社長就任以前)に5回ほど原稿をご投稿いただいており、20年程前にもお目にかかっているが、今回久しぶりにお目にかかったが印象では、以前にも増してお元気で太陽電池にかける情熱はいっこうに衰えそうにない。
追伸)本日の日経のトップ記事は『太陽光発電。 官民で強化世界シェア1/3超に。シリコン安定調達へ有志、家庭の余剰電力買い取り』とある。益々拍車が掛かってきた太陽光発電だ。

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「日本の株価はなぜ安い」「少子化と税理士」(久野税理士メルマガより)

日本の株価はなぜ安い

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 日本の株価は、世界ではロシアに次いで大幅に下落しているとのことです。
 PBR(株価純資産倍率)は、1を割っているようです。即ち解散価値をも下回っている、いわば大安売りの状態にあるわけです。PER(株価収益率)が、もっと悪くなれば、PBRを押し下げるではないかと危惧していることが、株価が上がらない理由では(?)としています。
 アメリカを始め、ほぼ世界中の国の自動車産業が政府の救済策や資金援助を求めています。同様なことが、国を代表するような金融機関ついても行なわれています。
 日本の国内では、まだまだそのようなことにまで至っていません。バブルの教訓が生きており、構改革が大いに進んで、内部留保の蓄積も多額に及んでいます。アメリカのファンドが、この蓄積した利益留保金について目をつけ、高額配当を迫ったほどです。
 トヨタ自動車が、パナソニックが、巨額の赤字となると報じていますが、この中には次年度に実施する構造改革費用を織り込んでいます。
 日本は世界の先進工場です。技術の塊、ノウハウの塊で充分な内部留保もあります。今が買い時であることは論を待たないが、資金がないのが残念です。
 ヨーロッパで実施している旧年式の自動車の新車への乗り換え補助金のように、消費を促すような効果的な政策が日本でも採られれば先は明るい。
 とにかくレベルの低い政治を構造改革することが、最高の景気対策です。

少子化と税理士


 業界新聞に税理士の登録者数と平均年齢についての記事がありました。
 これによりますと、平成20年4月30日現在で、登録者数は70,422人、その平均年齢は59.52歳。 その内訳は、男性60.90歳、女性は49.54歳。
 年代別では、70歳代12,609人、60歳代15,708人、50歳代14,788人、40歳代11.602人、30歳代7,867人で、20歳代は333人。
 今から20年後には上記70歳代と60歳代が業務廃止をしているとすると、総員は34,510人で、現在のほぼ半数です。受験者の年齢制限がありませんので、年代構成は多少は変化すると思いますが、現在の税理士試験の難しさを考えると、大幅な新規登録者の増員は期待できそうにありません。ましてや、少子化のご時勢ですから…
 税理士の仕事は、税の課税・徴収で国が成り立っている以上、未来永劫なくなることはないといっても過言ではないと思います。
 公認会計士や弁護士にも税理士資格の自動付与がなされていますが、厳しい税理士試験を通ってきた税の専門化には遠く及ばないものです。
 この記事では、試験制度の年2回化などを提案していますが、マーケットのパイが同じ大きさだとすれば、分子が大幅に減少する傾向ですから、今後は大いに魅力的な職業と思います。
知人の息子さんや娘さんに、是非奨めてあげてみてはいかがですか?
 試験の難しさは、ハードルの高さを示すものではなく、合格者の知的レベルの高さを示すものだと考えれば、取り組む意欲も増そうというものです。

久野幸一税理士事務所はhttp://www.office-kuno.co.jp/
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『光の日』公開シンポジウム(3/9)に行ってきました。『光空間通信フォーラム』(3/10)に参加しました。

3月9日に独立行政法人日本学術振興会(光エレクトロニクス第130委員会)主催の『光の日』公開シンポジウム(既報)に参加しました。午前中は社内の会議で出席できなかったので、午後からのプログラム、横浜国大・馬場先生の「フォトニック結晶スローライト技術の進展」と阪大・春名先生の「光コヒーレンストモグラフィーの進展」、三菱電機・笹川さんの「レーザーディスプレイ」、「太陽光励起レーザーとマグネシウムを利用したエネルギーシステム」を聞かせていただきました。
個人的には最近、医工連携に関心を寄せている筆者としては春名正光先生のOCTの話が面白かった。

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<春名先生講演資料より>

光コヒーレントトモグラフィー(OCT;Optical Coherence Tomography)は「光干渉断層計」とも呼ばれており、生体断層イメージング技術を活用した装置です。既に眼科や循環器科の臨床診断に利用されています。断層画像撮影装置としてはX線利用のレントゲンがこれまで有名ですが、OCTでは赤外光を利用しているので人体への影響がほとんどありません。ご講演の中で、指先の細い血管をOCTで撮影した動画を見せてもらいましたが、心臓の動きに活発に同期する様子が映し出されており、大変興味深くかつ今後のOCT応用診断の普及が容易に予想される鮮明度であり、驚きました。先にサンノゼで行われたSPIE主催のPhotonics West2009でもOCTは今年の注目技術として発表されていましたが、なるほどこういう事かと頷けるとても分かりやすいご講演でした。
翌日の10日は東京神田の学士会館で開催された『光空間通信フォーラム2009』(既報http://blog.optronicsjp.com/date-09_02_2009.html)に行って来ました。参加申込者250名の賑やかなフォーラムになりました(参加者実数は約200名)。主催団体の一つOBN協議会の幹事をしている関係上、前半の司会を担当しました。最初にお話いただいた阪大の塚本勝俊先生の「光無線によるRadio on Fiber技術の無線空間への拡張~RoFSOの開発を実証実験報告」もとても分かりやすいお話でした。
これからはRadio on Fiber技術(RoF:無線通信と光ファイバー通信)およびRadio on Free Space Optics技術(RoFSO:無線通信と光無線通信)などが、それぞれその特長を活かしながら自在にかつ補完的に進展する必然性を述べられ、その技術、運用の標準化はITU-TITU-Rの両方に関わっており、我が国が主導的役目を果たしていく必要性を強調されていました。
光空間通信技術は有線通信網が壊滅状態に陥った2001年の米国同時多発テロの時に、いち早く現場の通信手段を確立して、復興に一役買って注目を浴びたが、その後特に本格的普及に至ったわけでもなく、幹事の一人としては歯噛みする思いであるが、今後も引き続き光空間通信技術の普及推進に向けお役に立つよう努めたい。

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<光空間通信フォーラム2009会場風景>
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<光空間通信フォーラム2009懇親会風景>
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編集長の今月のコメント(2009年3月)

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編集長 川尻多加志

液晶配向処理は,液晶ディスプレイにおける画質劣化の原因となる光の透過むらを防ぐための必要不可欠なプロセス。この液晶配向には,これまでラビング法という機械的な摩擦手法が用いられてきました。ラビング法はポリイミドなど高分子配向膜を塗ったガラス基板に,レーヨンなどの布を巻いたローラーを回転させて押しつけ,配向膜表面を一定方向にラビングする(擦る)というものです。
ラビングによってどうして配向ができるのか,詳細なメカニズムは未だはっきりと分かっていないようなのですが,兎にも角にもこれによって液晶の配向方向を一定にすることができ,配向状態の仕上がりも良好で,かつ非常に簡便ということで,殆どの液晶ディスプレイ製造工程で用いられてきました。
ところが,このラビング法ではラビングの摩擦によって静電気や小さなダストが発生します。これが液晶ディスプレイ製造の歩留まりを落とす要因となっています。この他,大面積に液晶を均一配向することや処理過程の管理などが難しいという問題も抱えています。さらには,今後一層進展する画面のさらなる大型化に求められる新規配向形態に対し,ラビング法では対応できないとも言われています。
そこで,この機械的摩擦手法に代わる配向法として,光(紫外線)を照射することによって液晶を配向させる光配向法が注目を集めています。光配向法は静電気やダストの発生しない非常にクリーンな手法で,研究・開発は20年ほど前から続けられていて意外と古い歴史を持っているのですが,近年その重要性が認識されるようになって研究・開発が活発化しています。
今月号の特集では,この光配向制御技術にスポットライトをあてました。特集を企画していただいたのは東京農工大学の飯村靖文先生で,本分野の第一線で活躍されているエキスパートの方々に最新の研究・開発事例を紹介していただきました。
来月号の予告をちょっとさせていただきます。4月号から新しい連載「原点に戻って学ぶレーザー原論(仮題)」がスタートします。セオドア・H・メイマン博士が,世界で初めてのレーザー発振に成功してから既に50年近くが経とうとしています。この間,レーザーは通信やAV機器,計測,加工,医療等,様々な分野の機器・装置に応用され,もはや我々の生活に無くてはならないものになっています。
今回の新連載では,原点に戻ってレーザーを勉強しようということで,レーザーを理解するための光学の基礎,レーザーの原理と性質,レーザーを自在に使うための非線形光学の基礎と実際,さらには様々な種類のレーザーについて分かりやすく解説していただく予定です。ご執筆者は(独)科学技術振興機構・JSTイノベーションサテライト宮崎館長の黒澤宏先生です。お楽しみに。

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小檜山光信さんがThin Film ExpertsのWebに掲載されました。

2月のブログ「光学薄膜技術と小檜山光信さんのこと」でご紹介した小檜山さんがThin Film ExpertsのWebに掲載されました。世界で活躍する薄膜のリーダーを紹介したサイトです。ご覧下さい。http://thinfilmexperts.com/
既報では小檜山さんが国際技術士事務所主催の3月19日のセミナーで「光学薄膜技術の基礎講座」を講義されると案内いたしましたが、主催者から不況のあおりを受けて参加者が少なく中止となったとの発表がありました。いい話が聞けると楽しみにしていましたので残念ですが、次回は状況をみながら弊社で小檜山さんを引っ張り出そうと思っていますので、それまで暫くお待ち下さい。
先日光学測定機工業会から連絡をいただいたが、45年間継続していた展示会「光ナノテクフェア」を今年は中止するということです。不況の影響はいろんなところに出始めていますが、何があっても可笑しくない昨今、慌ててパニックになることなく、今のうちにできることをしっかりと準備をしておくと、きっと良いことが待っていると信じて活動するつもりです。
因みに4月に弊社が開催する「レーザーEXPO」「レンズ製造・設計展」等は、昨年より規模は若干縮小気味ですが、元気な企業が沢山出展していますので是非見学にお越し下さい。

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